スポーツ整形外科とは

スポーツ整形外科では、整形外科の中でもスポーツに伴う障害・外傷を扱います。
スポーツ障害・外傷に対して適切な診断・治療を行うためには、専門的な知識や経験が欠かせません。
当院では、幅広い年齢のスポーツ選手層を対象としており、専門医が適切な検査と診断、治療を行います。レントゲンや超音波診断器(エコー)検査で判別できない場合は、近隣の連携病院にてMRI検査を行うことも可能です。
その上で、スポーツ障害に対しては療法士が専門的な運動療法を行っております。
障害の回復期には、競技や日常生活に必要な動作の評価(パフォーマンステスト)、ストレッチ指導などを個別に行い、学生さんの部活動や社会人の競技復帰をサポートいたします。
主なスポーツ障害
運動中に強い外力や衝撃によって組織が損傷することをスポーツ外傷と言います。コンタクトスポーツによる衝突や転倒、身体のバランスを崩して捻ってしまうことなどによって起こることが多いです。
- 捻挫
- 肩の脱臼
- 骨折
- 肉離れ
- 打撲
- 靭帯損傷 など
スポーツ外傷の応急処置
スポーツの現場で「ケガ」人が出たとき、病院や診療所にかかるまでの間、損傷部位の障害を最小限にとどめるためにおこなう方法を「応急処置(RICE 処置)」といいます。この応急処置は、早期スポーツ復帰に欠かせないものです。
しかし、応急処置をしなかったり、不適切な処置をおこなうと復帰までに時間がかかります。
ただし、意識消失、ショック、頭・頚・背部の外傷や大量出血、脱臼・骨折が疑われる著明な変形など、重症なときは、すぐに救急車やドクターを呼び、むやみに動かさないようにしましょう。
- Rest(安静)
- 損傷部位の腫脹(はれ)や血管・神経の損傷を防ぐことが目的です。副子やテーピングにて、損傷部位を固定します。
- Ice(冷却)
- 二次性の低酸素障害による細胞壊死と腫脹を抑えることが目的です。ビニール袋やアイスバッグに氷を入れて、患部を冷却します。
15~20分冷却したら(患部の感覚が無くなったら)はずし、また痛みが出てきたら冷やします。 - Compression(圧迫)
- 患部の内出血や腫脹を防ぐことが目的です。スポンジやテーピングパッドを腫脹が予想される部位にあて、テーピングや弾性包帯で軽く圧迫気味に固定します。
- Elevation(挙上)
- 腫脹を防ぐことと腫脹の軽減を図ることが目的です。
損傷部位を心臓より高く挙げるようにします。
突き指
突き指の症状
「突き指」とは、ボールや物に指を突かれた際に起こる指のけがです。指の腫れ、痛み、動かしにくさなどの症状が見られます。
突き指の原因
突き指は、指を突いたときに指先から力が加わることで、関節や靱帯、腱、骨に損傷が生じることが原因です。野球やバレーボールでボールを受け損ねた場合、転倒して手をついた場合、あるいは硬い物に指を強くぶつけた際などに起こります。症状は軽い捻挫から、脱臼や骨折まで幅広く、特に骨折や靱帯損傷の場合、関節が変形する場合もありますので、正しい治療が必要になります。
突き指の治療方法
突き指をした際は、まず氷や冷水で患部を冷やし、炎症を抑えます。無理に指を引っ張ったりもんだりせず、安静を保つことが重要です。軽症の場合は、消炎鎮痛薬の使用や固定具による保護が行われます。骨折などの重症では手術を行い、鋼線で固定することもあります。突き指の際は、レントゲンや超音波検査を受け、適切な診断と治療が必要です。
足関節捻挫
足関節捻挫の症状
足関節捻挫は、関節に外力がかかることで非生理的な運動が起こり、関節を支えている靭帯や関節包が傷つく状態を指します。
この障害の症状は、患部の痛みと腫れです。痛みと腫れの程度は、靭帯の損傷の度合いに比例する傾向があります。さらに、捻挫の重症度や損傷の場所によっては、関節の不安定感や可動域の制限、内出血などが生じることもあります。捻挫後の強い痛みや腫れは、数週間から数か月で緩和され、その後は運動時の痛みや不安定感が主な症状として現れることがあります。この段階で無理な動作を行うと、他の組織への損傷を招き、慢性的な痛みや関節の変形(足の変形性関節症など)の原因となる可能性があるため、捻挫をした時点で正しい診断と適切な治療を受けることが重要です。
足関節捻挫の原因
足関節捻挫の原因は、内側にねじる足関節内反捻挫です。このタイプの捻挫は、スポーツ中や日常生活でさまざまな状況で起こることがあります。足関節内反捻挫の場合、足関節の外側、特に外くるぶしの近くに位置する前距腓靭帯が引き伸ばされたり一部が断裂したりすることが、捻挫の主な原因とされています。
足関節捻挫の治療方法
足関節捻挫が疑われる場合、迅速に「RICE処置」として知られる応急処置を行いましょう。RICE処置を行うことで、腫れや損傷部位の拡大、内出血の抑制が可能です。
- Rest(安静)
- 運動を中止し、患部を安静に保ちます。医療用テープや三角巾を使用して患部を固定します。
- Ice(冷却)
- 氷をタオルやハンカチで包み、患部を冷やします。
- Compression(圧迫)
- 弾力のある包帯やスポンジを使い、過度な圧迫を避けながら患部を包みます。
- Elevation(挙上)
- クッションなどを使い、患部を心臓よりも高い位置に保ちます。
腰椎分離症
腰椎分離症の症状
腰椎分離症は主に運動時に腰の痛みが発生します。進行すると座っているだけでも痛みが感じられるようになります。特に腰を後ろに反らしたり、ひねる動作で痛みが強くなることが特徴です。
腰椎分離症の原因
体の硬さが主な原因とされています。腰を反らす動作の際、通常は胸椎やハムストリングスが連動して働きますが、体が硬い場合にはこれらがうまく機能せず、腰だけに負担がかかります。結果、スポーツなどで繰り返し腰を反らすと、腰椎の「椎弓」という部位に過度の負荷がかかり、骨折が起こることがあります。
腰椎分離症の治療方法
腰椎分離症は進行度により、初期、進行期、終末期の3段階に分類されます。
初期および進行期では、硬性コルセットの装着と運動中止が基本の治療となります。運動を休止する期間中は、再発予防や痛み軽減のため、ストレッチや体幹筋力トレーニングが行われます。初期の治療期間は約3か月半、進行期では6~9か月が目安です。終末期分離症では、骨癒合が期待できないため、リハビリ中心の腰痛予防が行われます。
筋膜性腰痛症
筋筋膜性腰痛症の症状
筋筋膜性腰痛症は、脊柱起立筋や胸腰筋膜に沿った痛みや圧痛が主な症状です。椎間板ヘルニアや椎間関節症のような特定の動作による痛みというより、何をしても痛みが出るという漠然とした症状が特徴です。
筋筋膜性腰痛症の原因
野球のピッチングやゴルフなどの前傾姿勢、バレーボールの着地などで無理な体勢を取ること、または長時間のデスクワークや中腰の作業などが原因で、筋肉や筋膜が傷つきます。筋膜は痛みを感知するセンサーが多く、筋肉の緊張や動きの悪さが続くと、これが痛みとして感じられるようになります。
筋筋膜性腰痛症の治療方法
筋・筋膜性腰痛の治療には、薬物療法、運動療法、温熱療法、装具療法などが用いられます。急性期には安静とアイシングが大切ですが、過度な安静は回復を遅らせることがあります。痛みが落ち着いたら、軽いストレッチや筋力トレーニングを開始します。姿勢や動作に問題がある場合は、改善のためのトレーニングや指導が行われ、筋膜や筋肉への負担軽減を目指します。