足関節捻挫

症状

足関節捻挫イメージ画像

足関節捻挫は、関節に外力がかかることで非生理的な運動が起こり、関節を支えている靭帯や関節包が傷つく状態を指します。

この障害の症状は、患部の痛みと腫れです。痛みと腫れの程度は、靭帯の損傷の度合いに比例する傾向があります。さらに、捻挫の重症度や損傷の場所によっては、関節の不安定感や可動域の制限、内出血などが生じることもあります。捻挫後の強い痛みや腫れは、数週間から数か月で緩和され、その後は運動時の痛みや不安定感が主な症状として現れることがあります。この段階で無理な動作を行うと、他の組織への損傷を招き、慢性的な痛みや関節の変形(足の変形性関節症など)の原因となる可能性があるため、捻挫をした時点で正しい診断と適切な治療を受けることが重要です。

原因

足関節捻挫の原因は、内側にねじる足関節内反捻挫です。このタイプの捻挫は、スポーツ中や日常生活でさまざまな状況で起こることがあります。足関節内反捻挫の場合、足関節の外側、特に外くるぶしの近くに位置する前距腓靭帯が引き伸ばされたり一部が断裂したりすることが、捻挫の主な原因とされています。

治療方法

足関節捻挫が疑われる場合、迅速に「RICE処置」として知られる応急処置を行いましょう。RICE処置を行うことで、腫れや損傷部位の拡大、内出血の抑制が可能です。

Rest(安静)
運動を中止し、患部を安静に保ちます。医療用テープや三角巾を使用して患部を固定します。
Ice(冷却)
氷をタオルやハンカチで包み、患部を冷やします。
Compression(圧迫)
弾力のある包帯やスポンジを使い、過度な圧迫を避けながら患部を包みます。
Elevation(挙上)
クッションなどを使い、患部を心臓よりも高い位置に保ちます。

外反母趾

症状

外反母趾とは、足の親指が小指側に向かって変形し、「くの字」のような形状になる状態を指します。
この状態では、靴との摩擦により圧迫部に炎症が生じ、歩行時に痛みを感じることがあります。特に前足部に負担がかかりやすく、女性に多く見られる傾向があります。

原因

外反母趾の原因は、合わない靴を履くことです。先が狭く幅の狭い靴を履くと、母趾が圧迫を受けて関節が変形します。また、ヒールの高い靴は前足部に負担が集中し、通常では均等に分散されるべき荷重が、ヒール時には8:2の比率になるため、前足部の関節変形を引き起こす可能性があります。一般的な好発年齢は中高年で、靴の選択だけでなく、筋力低下や肥満なども影響を与えることがあります。健常な足には縦のアーチ以外に横のアーチも存在しますが、外反母趾の場合、これらのアーチが崩れ、扁平足や開帳足と呼ばれる状態になり、足趾は圧迫を受けるようになります。

治療方法

外反母趾の治療には保存療法と手術療法がありますが、多くの場合は保存療法が選ばれます。保存療法では、炎症を抑えるために消炎鎮痛剤や湿布が使用されます。また、外反母趾を矯正するための装具や足底板が使われることもあります。足の形を考慮した適切な靴の選択や、足のアーチを改善するエクササイズも効果的な方法です。

矯正装具が効果的でない場合や歩行障害が深刻な場合には、手術治療が検討されることもあります。

足底腱膜炎

症状

足底腱膜炎とは、足の裏にある踵(かかと)から足の指の付け根まで広がる組織である足底腱膜が炎症を起こし、痛みなどの症状が現れる疾患です。この状態は時々「足底筋膜炎」とも呼ばれます。

足底腱膜炎の症状は、かかとや足底が地面に着地した瞬間に痛みを感じることです。また、足を地面から蹴り出す際の力が不足することもあります。朝起きた後の最初の一歩や急に歩き始める際に痛みを感じることがよくあります。症状が長引くと、かかとの骨に骨棘(こつきょく)と呼ばれるトゲ状の突起ができ、さらに痛みが強まることがあります。

原因

足底腱膜炎の原因は、スポーツによる過度の使用や、長時間の歩行や立ち仕事、適切でない靴の着用、硬い路面での運動、足の筋力不足や柔軟性の低下、足の形の変形(扁平足や外反母趾など)などが考えられます。

治療方法

足底腱膜炎の治療方法は、足底にかかる負担を軽減することが重要です。しばらくの間は運動を休んだり、運動量を減らしたり、硬いアスファルトを避けて土や芝生の上で運動することも検討されます。さらに、炎症を抑えるために土踏まずの部分が盛り上がった中敷き(アーチサポート)を靴に使用することや、抗炎症薬の服用が行われることもあります。多くの場合、数カ月以内に痛みが緩和されますが、痛みが強い場合にはステロイドやヒアルロン酸を使った局所注射が行われることもあります。