痛風
症状
痛風とは、突然に足の親指などの関節が腫れて激しい痛みが現れる疾患であり、主に男性に多く見られます。この急激な症状は「痛風発作」と呼ばれ、発作が起こると数日間は歩くことが難しいほどの激痛が続きます。痛風発作の後、痛みは徐々に軽減される傾向があります。しかし、正しい診断と治療を受けずに放置すると、同様の発作が繰り返され、そのたびに疾患が進行してしまうことがあります。
原因
痛風の原因である高尿酸血症は、主に生活習慣、特に食事と関連しています。尿酸は体内で「プリン体」と呼ばれる物質の代謝によって生成されます。プリン体は細胞の代謝やエネルギー産生に関与するもので、動物性食品や高カロリー食、特にレバーやエビなどに含まれています。アルコールの摂取も体内でのプリン体生成を促進し、尿酸の排出を阻害する影響があります。食事によるプリン体の過剰摂取やアルコール摂取が高尿酸血症を引き起こす一因とされています。肥満も尿酸の排出を妨げ、尿酸の蓄積を助長する要因とされています。
治療方法
痛風の治療には、主に2つのアプローチがあります。「痛風に対する治療」と「尿酸値を下げる治療」です。発作中は痛みを軽減するための痛み止めが使用されます。発作が収まった後、尿酸値を低下させる薬(尿酸排泄促進剤や尿酸生成抑制剤)を用いて、数カ月かけて徐々に尿酸値を正常範囲に戻すことが行われます。ただし、発作中に尿酸値を下げる薬を使用することは避けられます。
さらに、生活習慣の改善も重要です。アルコールやプリン体の摂取を制限し、肥満を避けるために適切な食事と運動を取り入れることが勧められます。激しい運動は体内の尿酸値を上昇させる可能性があるため、軽度な運動の例としてウォーキングが推奨されます。
肉離れ
症状
肉離れとは、筋肉(筋繊維)が断裂してしまった状態のことを指し、主に足のふくらはぎや太ももなどの部位で発生します。この状態では、「ブチッ!」「バチッ!」といった筋肉の断裂音を感じるほどの損傷が生じ、歩行すら困難になることがあります。
原因
肉離れの原因は、スポーツ競技での急なダッシュや切り返し、ジャンプなどの際に、筋肉が急激に収縮することです。特に運動前に十分な準備運動を行わずに、硬い状態の筋肉で運動をすると、筋繊維の伸縮がスムーズに行われず、肉離れを引き起こしやすくなります。
治療方法
肉離れを疑う症状がある場合は、速やかに「RICE処置」として知られる応急処置を行うことが重要です。
- Rest(安静)
- 運動を中止し、患部を安静に保ちます。医療用テープや三角巾などを用いて患部を固定します。
- Ice(冷却)
- 氷をタオルやハンカチで包み、患部を冷やします。氷は直接肌に触れないようにします。
- Compression(圧迫)
- 弾力のある包帯やスポンジを使用し、患部を包みます。ただし、過度な圧迫を避けるようにします。
- Elevation(挙上)
- クッションなどを使って、患部を心臓よりも高い位置に保ちます。これにより、腫れを軽減できます。
ロコモティブ
シンドローム
症状
ロコモティブシンドロームとは、「ロコモーション(locomotion)」と「ロコモティブ(locomotive)」という言葉に由来し、移動能力の低下や衰えを指します。一般的には下半身の筋力低下や関節痛から始まり、軽度の段差につまづいたり、脚に痛みを感じるなどの症状が見られます。
原因
ロコモティブシンドロームの原因は、加齢による筋力低下や運動不足、骨粗鬆症や骨折、変形性関節症などの整形外科疾患が挙げられます。これらの要因により、立位や歩行機能、バランス、巧緻性、運動速度、反応時間、深部感覚などが低下し、日常生活の動作に介助が必要な状態となることがあります。この状態により外出が難しくなり、運動機会が減少し、さらなる運動機能の低下や転倒のリスクが高まることがあります。
予防方法
ロコモティブシンドロームの予防には、以下の3つのポイントが重要です。
- 毎日無理のない範囲内での運動を行う。
- 生活習慣病を予防し、適切な体重を維持する。
- バランスの良い食事を心がける。
日常生活に取り入れやすい運動として、「片足立ち」や「スクワット」が推奨されています。運動は無理のない範囲で継続的に行うことが重要です。