漢方薬治療とは
漢方薬は2000年ほど前より様々な病気に使われてきました。
一般的に西洋医学では、病気の症状を個別に対処し原因の除去を目標とします。例えば、腰部脊柱管狭窄症による足の痛み・しびれに対しては、神経に対する「血管拡張薬」を使用し、神経の炎症による痛みに対しては「消炎鎮痛剤」、しびれに対しては「神経伝達物質阻害剤」などを使用します。それでも治療がうまくいかない場合には、手術を行うこともあります。
一方、漢方薬は複数の生薬が、決められた分量で組み合わせて作られています。それぞれの生薬が、多くの有効成分を含まれているので、1剤で複数の症状の改善が期待できます。
また、漢方医学では、患者さんを病名で診断するだけでなく、患者さん一人一人の体質や病気の状態を見極めながら、最適な漢方薬を使い分けていく、いわゆる「オーダーメード」の治療を行います。
整形外科と漢方治療
整形外科領域の治療において漢方は相性が良く、
- 血流を良くする効果
- 冷えを改善する効果
- 熱を冷ます効果
- 血や水の停滞を改善する効果
など様々な効果が症状改善の助けになります。
外傷や腫れなどの即効性が必要な場合の痛みに処方したり、症状の発生から時間が経っている慢性的な症状に処方するものは体質改善の側面が大きいため、じわじわと効果が感じられていきます。
漢方の処方では、同じ病名の方でも、個人個人で処方が変わってきます。1つの薬でも、適応する症状が多岐に渡りますので、お困りの症状のみでなく、体質やほかの症状もお聞きし、患者さんそれぞれに合わせた処方をいたします。