肩関節周囲炎(凍結肩)
症状
肩関節周囲炎とは、肩関節に痛みと運動制限をもたらす疾患の総称です。主に40~65歳の人に多く見られ、特に50歳頃に発症することがよくあります。
一般的には「四十肩」「五十肩」と呼ばれることもあります。
肩関節周囲炎の症状は、肩を動かしたときに、動きの最後で痛みを感じることがあります。
初期段階では肩の動きは比較的良好で、テニスやゴルフなどの運動も通常どおりに行えることが多いです。しかし、症状が進行すると日常生活や運動に支障をきたすようになります。
症状の進行に従って痛みも強くなる傾向があり、動かさない状態でも痛みが現れることや夜間に痛みが出ることもあります。
原因
肩関節周囲炎の具体的な原因は、医学的には明確にはわかっていません。一部の場合では、肩の筋が断裂したり(腱板断裂)、石灰がたまったり(石灰沈着性腱板炎)することで似たような症状が現れることもありますが、純粋な四十肩・五十肩の場合は特定の原因なく発症します。
治療方法
一部の患者では自然に症状が改善することもありますが、放置すると日常生活が制限されるだけでなく、関節が癒着して動かなくなるリスクもあるため、早めの対処が重要です。
急性期の強い痛みがある場合には、三角巾やアームスリングなどで安静にすることが有効です。また、消炎鎮痛剤の内服や注射も痛みの緩和に役立ちます。急性期を過ぎたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)を行うリハビリが重要です。症状が改善しない場合はMRI検査で肩腱板や関節唇などの精査が必要です。
これらの保存治療で改善しない場合は、関節鏡などの手術を検討することもありますが、手術は最終的な選択肢となることが多いです。
肩こり
肩こりとは、首の後ろから肩にかけての不快な症状の総称です。具体的な症状としては、首の付け根から肩・背中にかけての張りや痛みが現れます。
また、肩こりが原因となり頭痛、めまい、吐き気、集中力低下、目の疲れ、倦怠感、腕や手のしびれなどの症状も現れることがあります。
原因
肩こりの原因は様々です。主な原因としては、以下のような要素が考えられます。
- 首や背中が緊張するような姿勢での作業
- 姿勢の悪い姿勢を続けること(猫背や前かがみなど)
- 運動不足
- 精神的なストレス
- 肩こりを引き起こす「なで肩」と呼ばれる状態
- 連続して長時間同じ姿勢をとること
- ショルダーバッグなどの重い荷物の持ち運び
- 冷房などの温度変化による筋肉の緊張
予防
肩こりは予防が大切です。以下の方法が役立つ予防法や注意点として挙げられます。
- 筋肉の疲労による肩こりは血行を良くすることが効果的です。入浴時に肩や首をよく温めることが手軽で効果的です。
- ストレッチを行うことも肩こり予防に効果的ですが、痛みを感じる場合は無理な伸ばし過ぎに注意し、軽く伸ばすようにしましょう。
肩こりのストレッチ
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イスに座り、左手をお尻の下に敷きます。
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右手を頭の上にのせ、首を軽く伸ばして、ゆっくり呼吸をしながら40秒間そのままを保ちます。
※このときに、気持ち良いけれど少し痛みを感じるようなら、伸ばしすぎです。手の重さで首を軽く伸ばす程度にしましょう。
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姿勢を戻し、手を逆にして同様に行います。
投球肩障害(野球肩)
症状
投球肩障害(野球肩)とは、肩関節における障害であり、投球動作や繰り返しの投球によって肩に痛みが生じ、投球が困難になる状態を指します。投球肩障害の症状には、腕を挙げる際の痛みや投球時、または投球後に肩に生じる痛みなどが含まれます。
原因
投球障害肩の原因は、繰り返しの投球動作によって肩関節にかかる負荷が耐えきれなくなった結果、障害が発生することです。負荷の原因としては、投球数が過多な場合もありますが、投球フォームや体の調子に問題があるケースも少なくありません。持続的な負荷によって、肩関節を構成する関節唇や腱板に損傷が及ぶ可能性があります。
治療方法
投球障害肩の治療は、主に保存療法が基本です。
症状によって異なりますが、数週間から数ヶ月にわたる投球休止期間を設けることが一般的です。
投球休止期間中は、リハビリテーションにより肩周辺の機能改善(柔軟性向上や筋力強化)に取り組み、投球フォームのチェック・修正、全身のコンディショニングにも力を入れます。全身の機能を改善することで、将来の投球動作に耐える体を作り上げることが重要です。